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柴犬の本気噛みと気難しさ
生後7か月くらいから自己主張が激しくなり、主張や感情を表現する手段として噛むということを覚えてしまった麦。
問題行動に強いトレーナーさんに何人も相談しましたが、本気噛みを覚えてしまった犬に一生噛まないようにしつけるというのが難しいことを知りました。
これはどのトレーナーさんに相談しても同じ考えでした。
専門家に相談すれば何とかなる、何とかしてもらえる。
そう思っていた私は毎回言われるたびにどん底に突き落とされていました…
「大丈夫、噛まなくなりますよ」
いつかそう言ってくれるトレーナーさんに出会えると信じていました。
今まで飼っていた子達が私にとっての一般的な犬。
それぞれ性格や気質が違うのは当たり前なのに…
私は何か月も麦を受け入れて向き合うことができませんでした。
柴犬の性質として挙げられていることが多いものばかりなのですが、麦はかなり野性味が強く…
とても癖のある性格をしています。
最初はとにかく戸惑いましたが…
今ではこの子はこういう子なんだと受け入れられるようになりました。
目次
警戒心が強く攻撃的
小さな物音でも俊敏に反応します。
そして、自分が嫌なことをされると次からは警戒心丸出しになるので、薬や体のお手入れは本当に苦労しています。
例えば、皮膚病の薬。
病院でもらってきたスプレーを1度シュッとやっただけで次からボトルを見ただけで警戒して一切近寄ってきません。
いつも喜んで飛んでくるおやつも完全無視です。
寝ているときに近づくと怒ります。
いや、激怒します。
少し唸るだけならまだいいのですが、ものすごい剣幕で吠えます。
そして、リードをしていないとぱぱーっと走ってきて噛みついてきたりもします。
リラックスしているときも同じで、ふっと警戒心が出たときにいきなり攻撃的になることがよくあります。
今まで犬を飼っていてこのような経験がなかったので、最初はずいぶん戸惑いました。
だって、横を通っただけでケガをするほど噛まれるんですから…
麦はとても怖がりなのでびっくりすると攻撃的になるというのもあるのかもしれません。
柴犬は警戒心が強いと言われていますが…
まさかこんなに強いとは…
ご飯をあげるときに私が一度器を落としたことがあります。
それからは私が器をもって近づくと警戒されます(*_*;
私以外の家族の時は全く警戒しません。
数週間すれば忘れるみたいですが、数週間…まあまあしつこいですよね。
ビビリで警戒心が強いというのは犬自身も疲れるんだろうな…
縄張り意識が強い
本気噛みがあるので完全なフリー状態は難しいのですが、リビングをサークルで仕切って自由にさせているときもあります。
一緒に遊んでいるときはいいのですが、ちょっと違う部屋に行って時間を空けて帰って来ると怒りだすときがあります。
なんで…??
部屋に入った瞬間ものすごい勢いで吠えます。
こういう時は危険なので、ドアを開けてすぐのスペースはサークルで仕切って麦が来られないようにしています。
これを縄張り意識というのかは分かりませんが…
一定の距離を取っていれば大丈夫なのに、近づくと怒ります。
外に出かけていて帰って来ると喜んで駆け寄ってくることもあるんですが…
その時の麦の気分で全然違う反応をするので( ;∀;)
難しいです…
柴犬は縄張り意識が強く、自分の縄張りに入ってくると怒ることがあるそうです。
とはいってもそれって侵入者に対してじゃないの!?
私、飼い主なんだけどな( ゚Д゚)
ベタベタされるのが嫌い
麦は長々と触られるのが好きではありません。
今まで飼っていた犬達は触ってあげると気持ちよさそうにしていたので、最初は触られるのが嫌という感覚が分からず苦労しました。
途中までは気持ちよさそうにして(いるように見える)いるんですが…
触るのをやめると寄って来るし、ゴロンとひっくり返ってお腹を見せたりもします。
しかし、いきなりふっと目つきが変わり…
ガウガウガウーーー!!
と激怒してきます…
0か10かで中間がありません。
途中でうなったりされれば嫌なのかなと気づけるんですが…
なんせお腹を見せて寝っ転がっているので( ゚Д゚)
私の中ではなかなか理解できなかったんですが、トレーナーさんに相談すると「柴は触られるのが嫌いな子も多い」言われます。
確かに柴犬の性格が書いてあるような本を見ると「べたべたされるのが嫌い」と書いてあります。
日本犬には多いんでしょうか。
以前、ミックス犬を飼っていましたが、その子は触られるのは好きでしたが、もういいやと思うと自分でふら~っと離れて行きました。
麦には嫌な時に離れるという概念がないようです…
嫌な時は怒る、噛む…です…
今は適度に触ってコミュニケーションをとっていますが、何度もガウガウガウーっと噛まれているので(*_*;
ちょっと警戒しつつになってしまいます…
食事中の威嚇行動
食べ物があると攻撃的になることが多いです…
今まで飼っていた子が全くだったので、食べているときに手を出しても怒らないようにしつけるという概念がありませんでした。
この辺は性格でもずいぶん変わるのかもしれませんが、麦は小さい頃からとにかく食欲旺盛で(*_*;
いつも飢えているようなにガツガツしています。
食べ物への執着心がすごいんです…
これも、噛み癖がでてきた7か月ごろから、徐々に強くなってきました。
威嚇行動というよりは攻撃性が出てきたという感じでしょうか。
食べ物での攻撃性を初めて感じたのはガムでした。
乳歯が生え変わったころ、歯磨き用のデンタルガムをあげてみると喜んで食べていました。
最初は良かったのですが、何回かあげていると途中で噛み疲れてその辺にポイっと置いてあるようになりました。
いつまでも置いておくのもなと思い片付けようとすると、怒ってぶわーっと走ってきて噛みつかれました…
この時を境に、ガムをあげると目つきが変わり攻撃的になるようになりました。
取られると思ったのかな…
もちろん、こんなことは今まで犬と暮らしてきた中で初めてだったので、最初はガムをあげると噛みついてくるというのが分からず…
ガムをあげては噛みつかれるを繰り返していました。
「もうガムをあげるのはやめよう」
それからは固いガムはあげないようになりました。
ガム以外にも、初めて食べたものや食べるのに時間がかかるものをあげると興奮してしまう傾向があります。
トレーナーさんには
「食べ物に執着して必死で噛む。
噛んで噛んで噛んで興奮状態になった時にふっと人が目に入ってガブーっとなるのでは」
と言われました。
ただ、別のトレーナーさんには「そんなことあるかな?」
とも言われたので…真相は定かではありません。
麦の様子を見ていると、やはり食べ物への執着心で興奮状態になって攻撃的になっているように思います。
初めて食べるものや自分にとって価値の高いもの(おいしいと感じられるものとか?)にたいしては執着心が強いようで、食べずに守るような行動に出ます。
そんな時は近づくとものすごい勢いで怒ります。
今は、初めての食べ物は興奮しないよう、小さく小さく切ってちょっとづつあげて慣らしてあげるようにしています。
最初は何でもかんでも興奮して唸って攻撃的になっていましたが、最近は色んなものを普通に食べれるようになりました。
近づくと怒る、でも食べない…
こんなときは麦自身もどうしていいのかわからず戸惑っているようにも見えます。
私はこういう子をはじめてみましたが、食べ物で攻撃的になったり、守る行動に出る子は結構いるんですね。
ものすごく近づいておやつをあげているといきなり怒り出すこともあるので、これはもう怒るときがあるということを理解して付き合っていくしかないのだと思いました。
頑固で気難しい
笑っちゃうくらい頑固です!!
散歩行くよ~と連れ出そうとするとどうしても行きたくない。
朝はおしっこがしたいので行きたいはずなんですが…
それでも一旦嫌がります( *´艸`)
無理やり連れて行こうとするとガウガウガウーっとものすごい剣幕で怒ります…
しかし、数分置いてちょっと気分を切り替えてあげるとササーっと散歩に出かけるんです。
さっきまでの大激怒はいったい何だったんだ(笑)
と笑ってしまうような豹変ぶり!
とにかく意思が固いので、自分のタイミングでしか動かない時が良くあります。
ただ、そんな時でもちょっと遊んで切り替えてあげたり、大好きなおやつを使ってうまっく気分を切り替えてあげると面白いくらいに言うことを聞きます。
頑固で気難しいけどとっても単純!
愛すべき柴犬精神です。
愛嬌があって頭がいい
なんだか気難しい性格ばかり書いてしまいましたが…
もちろんいいところもたくさんあります。
柴犬は愛嬌があってとってもかわいいです。
噛まれても苦労をしても麦への愛情も柴犬への愛着もどんどん高まっています。
頑固さや意志の強さもふっと笑ってしまうような瞬間がたくさんあります。
そしてとっても頭がいいです。
おやつを使ってうまく教えるといろんな芸を覚えます。
何をしたら正解なのか、どうしたらほめてもらえるのか、理解するのがとっても早いです。
お座りもふせも生後3か月ころにすぐに覚えました。
頭がいいゆえに気難しさがあるのかもしれません…
頭がいいからこそやっかいな時があるのかもしれません…
以前、動物病院の医院長先生に言われました。
「この子は頭がいい、人を見て態度を変えてるね~(笑)」
人間だったら一番やな奴じゃん!!( ;∀;)
頭がいいのになんで噛み癖が治らないの?
私は専門家ではないのであくまでも自分が感じたことなのですが、激しく噛みついてくる麦は我を失っているように見えます。
最初は脳のどこかがおかしいんじゃないか。
何かの病気なんじゃないか。
ネットで見かけた激怒症やてんかんなんじゃないか。
そんな風にさえ思いました。
病院に連れて行って問題行動専門の獣医さんに診てもらったこともあります。
トレーナーさんに相談しては「なぜでしょう」「どうしてでしょう」「何が悪かったんでしょう」といつもいつも疑問を投げかけていました。
麦の行動を細かく話してはどうしたらいいでしょうかと相談する日々。
これに終止符を打ってくれたのは、この子はしつけのレベルでどうにかなる子ではない。
こんな言い方はよくないかもしれないけど障害児と同じだと思って受け入れてあげることが大切だと教えてくれたトレーナーさんです。
「こういう時に怒って噛みついてきます。なぜでしょうか?」
そう質問すると、意味や理由を教えてくれるトレーナーさんはいましたが、結局知ったところで「そうですか…」
と言うしかありませんでした。
噛みついてくる状況や怒らせる状況を極力作らないようにしてください。
何かをしたときに怒ったら次からその行動はやめましょう、避けましょう。
そんな風にも言われてどんどんやれないことが増えました。
しかし、日々の生活の中では不測の事態が必ず起こります…
そんなときはいつも避けていることがいきなりできるわけではありません。
リードをつけると怒る、首輪の付け外しが難しい、横を通ったら怒る。
怒るならばやらないように…
麦と暮らすのがどんどん難しくなっていきました。
だって怒ることばかりだから…
止める、避けるを繰り返して麦とのコミュニケーションが取れなくなっていった私に「飼い主は強くあれ!」
そう教えてくれたのがそのトレーナーさんでした。
「あなたがこの子のリーダになりなさい!」
怒っても動じない、噛まれないように工夫をする、麦のことをよく見てどういう状況なのか自分で判断する。
そういったことができるだけでずいぶん暮らしやすくなりました。
他力本願でトレーナーさんに何とかしてもらおうと思っていた私に、麦のことを受け入れて向き合うことを教えてくれました。
しかし、これ、どのトレーナーさんも同じようなことを言われていたように思います。
ただ、噛む犬と初めて接した私には理解することができませんでした。
理解というより覚悟をもつことができなかったのかもしれません。
自分の愛犬が噛む犬であり、それは一生治らないかもしれない。
これはなかなか受け入れがたい事実です…
人をケガさせるほどの本気噛みをする犬への世間の目は厳しいです。
飼い主への目も厳しいです。
犬を見れば飼い主がわかるなんて言われますし…
私自身も愛犬に噛まれるなんて、よっぽど信用されていないか接し方が悪いんでしょ!
麦に出会うまでそんな風に思っていました。
まず、犬に噛まれるという経験がなかったし、本気噛みをする犬を見たことがありませんでした。
子供のころから迷い犬に躊躇なく手を出していたし、平気で抱き上げて保護していました。
今思えば本気噛みがある犬だったら大変なことになっていたなと思いますが…
自分が接してみて初めて理解することができました。
シャンプーができない、抱っこができない、服が着せられないetc…
なかなかしつけがうまくいかない場合があることを。
私は子供の頃から犬と暮らしてきましたが、どの子も穏やかで何をやっても本気で怒るということはありませんでした。
麦も今まで飼っていた子と同じように接してきました。
それでも全然違うように成長していきました。
犬もそれぞれだから当たり前なのですが…
犬を飼ったことがあるからこそ麦の問題行動にしっかり向き合えず、そのうち良くなるだろうと安易な考えをもってしまいました。
何匹も犬を飼ったことがあるし、きちんとしつけてこれた。
そんな慢心があったんだ思います。
来年の春にはもう3歳です。
生後2か月ほどで我が家に来た麦。
2年4か月の麦との暮らしの中でたくさんのルールを作りました。
リードにつないだり、サークルで囲ったり、今までは考えもしなかった犬との暮らし方。
ただ普通に触ることがこんなにも難しいなんて…
「過去のことを後悔しても仕方ない。今のこの子をよく見て受け入れてあげて」
そう言ったトレーナーさんの言葉に納得したはずなのに、今でも麦の攻撃的な姿に不安になって涙することがあります。
麦をおもいっきり触りたい。
麦をおもいっきり抱きしめたい。
そんな思いが溢れます…
それでももちろん麦への愛情は変わりません。
麦と出会えたからこそ犬のことをしっかり見れるようになりました。
そして、麦と一緒にたくさんの景色を楽しむことができています。
大変なことも多いですが、麦の存在が家族の助けになっています。
犬の問題行動というのは本当に難しいですね…
ただ、人間の接し方を変えてあげればきっと犬も変わってくれると思います。
「あなたがリーダーになりなさい!」
トレーナーさんから言われた言葉を胸に、麦のことを引っ張っていける飼い主になりたいと思います。
まだまだ先は長いです。
さて、麦はどんなおじいちゃんになるのでしょうか。
COMMENTSコメント
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愛犬に関するしつけや対応、考え方など、いろいろと情報共有できると嬉しいです!
※名前はニックネーム程度で構いません。入力しなくてもコメントできます。
こんにちは。
うちの3歳になる豆柴と本気噛みのタイミングがほぼ一緒で、思わずコメントしました。
1と10の間が一切なく、腹見せしながら突然噛む。食べもしないで守る。それに対する対処もうちも同じ事しました。
「嫌なら避けてくれたらいいのに…」「嫌なら噛む前に唸ったり吠えてくれたらいいのに…」
うちも脳疾患のある子だと思って、ある種諦めて受け入れるような気持に変わりました。
トレーナーさんは「この子は大変賢い。それが故に、飼いづらい。」と言われました。
そもそも柴は脳の神経伝達に「(幸せホルモン)セロトニンが分泌されにくい」という特性があるそうで、
少しでも幸せ感じてほしい、自分の都合のいいに時はこんなに幸せそうな表情をしてくれるのに…と
マッサージを施したり、出来る限りの事をつい尽くしたりしましたが
トレーナーさんからは「尽くしすぎ」「アルファの子にはあまり優位に立たせてはいけない」と言われました。
もうどう愛していいのやら… 満たしてあげたいし、満たしてあげないと余計にストレスを抱え続けるのでは…?と
思いましたが、思えばこの子は子供の頃からわがままで「要望が叶わない」という事に耐性がありません。
5か月から本気噛みが始まり、思えばあまり「我慢」というものを憶えさせなかった育て方のせいで、この子は生きづらくなっているかも。今からでも少しずつ「叶わない事があること」という経験を積ませてみようと思っている所です。
その代わり我慢した先にはとっても褒めて美味しい物をあげています。この子に与えてはいけない物や環境ルールは健在ですが、、
長くなりましたが、同じ性質の柴ちゃんがいて、なんだかホッとしました。こんなにも犬が人を本気で噛む事、犬が本気で噛む痛さはそういう犬を飼った人にしか分かりませんから…
手がかかるけど本当に可愛いし、愛おしいですね! 共にがんばりましょう!
噛む犬との暮らしは経験者にしかわかりませんよね…
頂いたコメントを呼んでいると麦のことが書かれているようです。
「そうそうそうそう!」と共感するたびにストレスがへり、プラスの感情が増える感じがします!
「要望が叶わない」という事に耐性がない
まさにこれです!
7年かけて少しずつ耐性がついてきましたが、私ももっと早い段階でこれが分かっていればもっと楽だったかもしれません。
噛まない躾にばかり意識が向いてしまいますが、「叶わないことがある」「我慢しなければいけない」と教えてあげればいいんですよね。
賢いから難しいけど、賢いからこそちゃんと教えられれば理解してくれます。
我が家の柴犬はキレやすいので油断できませんが…
年々愛おしさが増してます!お互いがんばりましょう!