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麦の取扱説明書
障害児と同じ、そう思ってもらった方がいいかもしれません。
この子が怒ったり噛んだりするのに意味や理由を求めるのはやめた方がいい。
1年前、麦の本気噛みがどんどんひどくなり、もうどうにもできない、どうしたらいいのかわからなかった時に出会ったトレーナーさんに言われた言葉です。
ショックでした…
障害児…この子は普通じゃないんだろうか…
色んなトレーナーさんや獣医さんに相談してはなぜでしょう、どうしたらいいのでしょかとそんな質問ばかりしていました。
「大丈夫です。なおりますよ。」と言ってもうために。
何人もの専門家に相談した結果、一度噛むことを覚えてしまった犬を矯正することはとても難しいということを知りました。
麦の場合はとにかく野性味が強く、トレーナーさんに相談している間もエスカレートしていくばかりでした…
どんどんひどくなっていく本気噛み。
何のために相談しているのかよくわからなくなってしまったこともありました。
そんな時に言われたのが障害という言葉です。
その時はただただショックだったのと、そんな言い方しなくても…というトレーナーさんに対する失望感がありました。
しかし、この表現こそが私が麦のことを理解してあげられるきっかけになりました。
トレーナーさんは飼い主に色々教えるだけではなく、言っている意味の本質を理解させることもお仕事ですね。
麦は、普通に遊んでいる時にもふと顔色が変わり攻撃性を出すことがあります。
今さっきまでご機嫌にボールを取りに行っていたのになんで…?
もちろん、麦には麦の理由があるのだと思いますが、意味や理由を求めたところで本当のところは麦にしかわからない。
ただ、こういう時に攻撃性が出る場合があるということを頭において一緒に生活していくしかないんです。
柴犬の3割くらいは些細なことで攻撃性が出てしまったり、非常に野性味が強い子がいるそうです。
そのため、飼育放棄や殺処分の対象になってしまう子が多いんだとか。
最近は海外でも人気の柴犬。
海を渡ってもやはりその気質は変わりません。
海外の保護施設にも飼育放棄された柴犬がたくさんいるそうです。
この事実って認知されてるんでしょうか…
私は犬の可愛さではなく、危険性や一緒に暮らすことの大変さを広めることこそが殺処分や飼育放棄を減らすことにつながるのではないかと思います。
ということで、我が家の問題児麦の場合の取扱説明書。
目次
べたべた触られるのが好きではありません。
犬がみんな触られるのが好きだという概念は捨ててください。
適度に、よしよしよし、それだけで十分です。
初めてのものが苦手です。
初めて食べるもの、初めて接するおもちゃに興奮してしまいます。
渡されたものを守ろうとして攻撃的になってしまうこともあります。
食べ物やおもちゃも少しづつ慣らしてください。
慣れれば普通に食べたり遊んだりできます。
散歩に行くときにガウります。
気が向かないとヴーヴーうなったりガウガウ抵抗したりします。
犬はみんな散歩が好きだという概念は捨ててください。
ただちょっと行きたくないだけなので、気分をのらせたりうまくおやつを使って連れ出してください。
玄関の外に出れば普通に歩きます。
よく観察して性格が分かればコツがつかめます。
リードが手に引っかかるのが嫌いです。
神経質なので、小さなことが気になります。
引っかかったまま無理に引っ張らないでください。
お手をさせたりしてひっかかりを取ってあげてください。
眠っているときに近づくと怒ります。
リラックスしているときに邪魔されるのが大嫌いです。
寝ているときは放っておいてください。
食欲旺盛です。
選り好みせず何でもよく食べます。
あげたらあげただけ食べてしまうので、食事の量はしっかり管理してください。
もしも食べないことがあったら、具合が悪い恐れがあります。
すぐに病院に連れて行ってください。
服やハーネスが嫌いです。
裸族なので、体に何かをまとうのが大嫌いです。
服、カッパ、ハーネスは嫌すぎて固まってしまいます。
おしゃれは首元だけで充分です。服は着せないで下さい。
濡れても拭けば問題ありません。カッパは着せないでください。
首輪で充分です。ハーネスは付けないでください。
表現が大袈裟です。
嫌な時、痛いとき、かなり大きな声で泣き叫びます。
パピーの頃から感情表現が大げさなのが特徴です。
あまり気にしないでください。
暇になると爪を噛みます。
パピーの頃から常同行動です。
暇だったり何かのストレスで噛んでいると思うので、木の棒をあげてください。
棒を噛みだすとストレス解消になるのですっきりご機嫌になります。
噛み終わったら必ず棒を取り上げてください。
ティッシュや小さなごみを飲み込む恐れがあります。
食べられないものでもゴクリと飲み込む場合があります。
口の中に入ってしまうと出さないのでごみには気を付けてください。
もし、飲み込んでしまった場合は必ず病院に連れて行ってください。
嫌なことをされると逃げる前に口が出てしまいます。
本気噛みをします。
その力はとてつもなく危険です。
嫌がることはもちろん、何をするときでもしっかり様子を見て接してください。
一見人懐っこいです。
犬よりも人が大好きです。
触られるのはあまり好きではありませんが、それ以上に人が好きなので甘えるように寄っていきます。
そんな時でもこの子が噛む犬だということを忘れないでください。
触ってもらうのは少しだけ、必ずすぐにリードを引いて注意してください。
私がこの2年間でインプットしてきた麦の取扱説明書はまだまだあります。
麦が本気噛みするようになって1年以上が経ちました。
私たち家族は随分なケガをしてきました。
そのけがは、もしかしたら許容範囲を超えているのかもしれません…。
「本当に飼っていけるのか」
「手放した方がいいんじゃないか」
そんな風に言われることもたくさんありましたが、麦のことを理解してあげればこれからも一緒に暮らせると信じています。
人様に迷惑だけは書けないように細心の注意を払っていきたいと思います。
COMMENTSコメント
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愛犬に関するしつけや対応、考え方など、いろいろと情報共有できると嬉しいです!
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我が家の愛犬、のりもほとんど同じです。
取説、とても参考になります。本気噛みされて、ヘコんだときにこちらの取説を一読し、心を落ち着かせています笑
のりは、畳、カーペット、マット、毛布、おもちゃ、何でも噛みちぎり必ず食べてしまいます。ゴム製のおもちゃと木のおもちゃしか与えられません。毛布は使いません。カーペットは何度買い直したことか...。ビターアップルを毎日振って、対策しています。
びっくりしますよね…
麦もなんでもかんでも破壊して食べる子だったので、毎日ピリピリしてました。
3歳頃からは徐々に落ち着いてきて今じゃ暇つぶし程度にしか破壊しなくなりました。
ティッシュや紙などはいまだにゴクリと飲み込んでしまうこともありますが…
昔に比べたらかなり改善されました。
年齢による落ち着きもあると思います!